ここでは、インタラクティブ動画で意識したいCTAとは何か、基礎知識やCTAを設置するメリット、作成ポイントや注意点を解説しています。インタラクティブ動画を作成する前に、ぜひ参考にしてみてください。
CTAとは「Call To Action」の略で、Webサイトを訪問したユーザーに対し、会員登録や商品・サービスの購入など、何らかの行動(アクション)を促すことを指します。
インタラクティブ動画で言うと、ユーザーの行動を喚起するために動画上に何らかの要素を設置することです。
ECサイトなどのビジネスにおける動画配信の場合、たとえ多くの人に動画を見てもらえたとしても、ユーザーが実際にECサイトを訪問し商品を購入してもらえないことには、売上アップには繋がりません。商品を購入する手前のサイト流入を促す工夫が足りていないと考えられるでしょう。
サイトには流入してもらえるものの、なかなか商品の購入に至らないケースもあります。このような場合、流入したユーザーとの関係づくりに課題があります。CTAの最適化は、コンバージョン率を高めるために重要な要素と言えるのです。
動画にCTAを設置すると、視聴者に対してサービスサイトへの誘導やチャンネル登録など、売り上げや集客につながる行動を促すことができます。
視聴者にとってお得な配信情報のCTAを設置すれば、販促ページやLPへ誘導できる可能性がありますし、次回の配信に関する情報とCTAがあれば、チャンネル登録をしてくれるかもしれません。
動画は、静止画やテキストなどの文章よりも内容を理解してもらいやすく、視聴した人に影響を与えやすいと言われています。せっかく動画を配信するなら、ただ「動画を観て終わり」にさせるのではなく、CTAで視聴者の次の行動を促しましょう。
YouTubeなどの一般的な動画配信では、概要欄でURLを掲載する再生時に商品の魅力を伝えるオーバーレイを表示するなどのCTAがありますが、設定できるCTAの種類には限りがあります。
一方、インタラクティブ動画では、視聴者が「触れる仕掛け」を組み込むことができます。気になるところをタップできるようにし、商品ページに遷移するなど動画上にCTAを設置することが可能です。
動画内に資料請求や問い合わせフォームを設置すれば動画内でコンバージョンまで完結させられますし、視聴者の選択によって動画のストーリーを変化させたりポップアップを出したりと、CTAの種類も豊富です。
目的に合わせたCTAの設置によって、視聴者とコミュニケーションを取りながらアプローチすることができます。
コンバージョンを高めるために、Webコンテンツで実践できるCTA作成のポイントをまとめました。
資料請求ページやサービスサイトなどにつながるリンクボタン。インターネットを利用しているなら、ほとんどの方が目にした経験があるでしょう。CTAを高めたいなら、テキストベースのリンクよりもボタンベースのリンクのほうが効果的です。
Webサイトの場合、多くのユーザーはページ全体をしっかりと読み込むのではなく、ざっと流し読みする傾向にあります。テキストのCTAだと目立たず、見過ごされたり読み飛ばされたりしてしまう可能性が高いのです。
ボタン内にテキストを挿入するときは、流し見していてもひと目で認識できるよう、本文のサイズよりも大きいフォントを採用しましょう。ボタンの色も背景やテキストとは異なる色で表示して、目立つように設置してください。
CTAを高めるためにすぐに取り組める施策のひとつが、適切な場所へのボタン配置です。設置場所としてよく選ばれるのが、コンテンツの直下とコンテンツ途中、サイドバーグローバルナビゲーション。ユーザーがどのページに降り立っても誘導しやすいように工夫することが大切です。
特にコンテンツ直下やコンテンツ途中は、コンテンツを読んでくれているユーザーのアクションを起こしやすくなります。ボリュームの大きなページの場合は、コンテンツの区切りや読了を前提に数カ所へ配置しましょう。
サイドバーは、ページ内のどこにいてもユーザーの視界に入る上、コンテンツの邪魔になりません。好きなタイミングでアクションを取ってもらうために、設置しておくようにしましょう。
認知度の高い商品やサービスの場合、ユーザーは何らかの意図を持ってコンテンツに流入していることが多いです。ファーストビュー内にボタンを取り入れるとアクションを起こしてくれる可能性を高められます。
CTAのボタンには、ユーザーの行動を後押しするコピーを添えましょう。一言コピーがあるだけでユーザーにお得感や安心感を与え、その後アクションしてくれる可能性が高まります。
行動を後押しする言葉の一例は「今なら送料無料」「無料でカウンセリング」などです。これらの文章はマイクロコピーと呼ばれており、CTAを高めるマイクロコピーにはいくつかの法則があります。
まず大切なのが、ボタンを押す・またはタップすると何が起こるか、ユーザーにどのような利点があるかを分かりやすくすることです。何が起こるか分からないとユーザーに不信感を与えてしまいますし、ボタンを押すとどんな見返りを得られるかが伝わらないと、その後の行動には繋がりません。
「○○についてもっと学ぶ」「30日間無料のトライアルを試す」など、何が起こるか、何を得られるかを一文で示すように意識してください。
「ダウンロード」や「購入」、「送信」などの語句を使うのはあまり良くありません。このようなワードを目にしたユーザーは、売り文句を押し付けられたように感じてしまい、不快に感じる場合もあります。
また、ボタンを押した先で待っているフォーム入力などの作業を想像してしまい、面倒に感じて行動を起こしてくれない可能性が高くなります。なるべく直接的な語句を使わず、ほかの言葉に置き換えられないかを考えた上で設置するようにしましょう。
ここからは、CTAを設置する際の注意点を解説します。ただ設置するのではなく、実施した取り組みが適切かを見直しながら、改善を重ねていくことが大切です。
とにかくユーザーにアクションを起こしてもらいたいからといって、むやみにCTAを設置してはいけません。ユーザーがどれを選んで良いか分からず、結局アクションを起こしてくれなくなるからです。「決定回避の法則」といって、人は選択肢が多すぎるとかえって選ばなくなる心理を持っています。
CTAを複数設置したい場合は、メインのCTAを目立たせて他のCTAは控えめにする、同一ページ内のCTA数に制限を設けるなど、工夫するようにしましょう。
CTAを設置しただけでコンテンツを放置してしまってはいけません。定期的に効果測定を行い、改善を繰り返しましょう。
どのCTAに効果があったのか、どのCTAに課題があるかを見つけ、数値化して改善ポイントを絞り込みます。ABテストを実施しながら改善を試みるなど、PDCAを回し続けることが大切です。
CTAは、売り上げや集客につながるユーザーの行動を促すことができると分かりました。インタラクティブ動画では、タップやクリックなど視聴者が「触れる仕掛け」を組み込めるため、そこをCTAとすることができます。目的に合わせたCTAを設置して、PDCAを回しながら効果を高めていきましょう。
【選定基準】2023年2月15日時点、Googleで「インタラクティブ動画」と検索した際に表示された全インタラクティブ動画プラットフォームを調査。Eコマースでの導入事例が多かった順に3社選定。Tig(35事例掲載)、MIL(6事例掲載)、Firework(3事例掲載)
Tigシリーズ
(パロニム社)
MIL
(ミル社)
Firework
(ループ・ナウ・テクノロジー社)
【選定基準】2023年2月15日時点、Googleで「インタラクティブ動画」と検索した際に表示された全インタラクティブ動画プラットフォームを調査。Eコマースでの導入事例としてHPに成功事例の掲載が多かった順に3社選定。Tig(35事例掲載)、MIL(6事例掲載)、Firework(3事例掲載)
(※1)(※2)(※3)2023年4月時点、それぞれ公式HPにて