360度動画とは、360度カメラで撮影された動画のことです。視聴者がデバイスの角度を変えることで、自由に全方位を見渡せる360度動画についてみていきましょう。
360度カメラで撮影された動画のことを「360度動画」といいます。撮影された動画は、視聴者がデバイスの角度を自由に動かすことによって、対象物の360度全方位を見渡せるというのが大きな特徴。
これまでの動画の概念を大きく超えた表現方法で注目を集めており、「パノラマ動画」「全天球動画」といった呼び方をされることでも知られています。
自分が映像の中に立っているような臨場感もあるため、バーチャルリアリティ動画の一種としても扱われています。
企業マーケティングの間でも度々話題になる360度動画は、既に多くのソーシャルメディアでアップされています。例えば自働車メーカーや住宅メーカーなどは、車や住居の内部を360度動画で伝えるといったアプローチをしています。
動画マーケティングに360度動画を用いることによって、視聴者が見たい視点を自由に視聴できるとうメリットに繋がります。
撮影者が撮影した角度からだけではなく、視聴者が見たいと思った角度から、全方位自由に空間を視聴できる点がメリットです。視聴者は主体的に動画内で視点を動かすことになるため、より商品・サービスへの興味が高まるという心理的作用も期待できるでしょう。
360度動画はPC・スマホなどでも視聴できますが、専用のVRビューワーを視聴者に使ってもらうこともできます。つまり視聴者の頭の動きと視点が連動することになり、簡易的なバーチャルリアリティ動画としても楽しめるため、より臨場感や迫力をもって商品やサービスをアピールできるでしょう。
また、360動画は専用機材を用意すれば、誰でも簡単に作成できるのが特徴。撮影から公開までのハードルが低いため、動画制作の初心者であっても、ある程度のクオリティでアップロードできるでしょう。
メリットが多い一方、視聴環境に条件が課せられるという点がデメリットです。例えば360度動画を視聴するためには、PCの場合であれば対応ブラウザが必要になり、スマホであれば動画共有サイトの公式アプリが必要となります。それらがインストールされている端末なら問題ありませんが、インストールされていない・バージョンが対応していないユーザーが対象の場合、そもそも動画を再生してもらえません。
また、360度動画を撮影する際には、複数のカメラによる撮影が必要となります。その際にどうしても視差や死角が発生してしまい、映像同士のつなぎ目がズレてしまいがちです。なめらかで自然な360度動画を実現するためには、被写体をカメラからある程度離した上で撮影を行うなどの工夫も求められ、360度動画としてのクオリティを上げるためには技術も求められるのです。
また、高速で動く被写体は「ローリングシャッター現象」と呼ばれる現象により、画像が歪むことも。視聴者にとって「見やすい」動画づくりには、様々な課題が挙げられます。
ライブコマースを活用すれば、ユーザーの視聴環境や、複数カメラの撮影の手間などデメリットを解消することができます。
特定のブラウザやアプリを指定しなくても、ライブ配信動画を視聴してもらえば良いため、ユーザーの負担軽減にもなります。
ライブ配信中に空間を360度回転して映すだけで良いので、配信側も複数カメラでの撮影の手間を省くことが可能です。
ライブコマースでコメント機能などを活用すれば、詳しく見たいとリクエストされた場所を再度映すこともでき、知りたい情報を視聴者にピンポイントで届けられます。
下記ページでは、今注目されているライブコマースについて詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
360度動画と似た動画として「VR動画」が挙げられます。確かに360度もVRと同様、全方位に対して視聴できるのが特徴。ただし「VR」は実際の今存在している空間ではなく、架空の世界の中で動けるようになるという特徴があります。そのため視点を動かすだけではなく、VR空間の中で水たまりに触れて水しぶきをあげたりといったように、より「自分がそこにいる」かのような臨場感があります。
VR動画は仮想空間と作り出し、プログラミングを施してユーザーの動きに合わせた仮想空間内での動きを用意しなければなりませんが、360度動画であれば専用カメラで撮影するのみで製作できます。
また、視聴する側も同様に、VR動画を楽しむためには専用ゴーグルが必要になりますが、360度動画なら、対応デバイスで気軽に視聴できます。
動画コンテンツといえばYouTubeがポピュラーですが、360度動画はFacebookといった他のSNSにもアップロード可能です。中でもFacebookには多くの360度動画コンテンツが見られており、航空会社による機内サービスを撮影した動画や、テーマパーク内の動画などが効果的に活用されています。
住宅メーカーといえば、住宅の見学会にわざわざ足を運んでもらう必要がありましたが、360度動画を取り入れれば、ユーザー自身が見学会に足を運ぶことなく、自分で内覧しているかのような感覚を味わえます。提供する空間・世界観などを強くアピールしていくべき住宅メーカーと360度動画は相性が良く、遠方にいる顧客にもアプローチが可能になります。
現在はスマホ・ネットの普及によって多くのゲームアプリが配信されており、ゲームとしての面白さを伝えるための360度動画を活用する企業もあります。360度動画を使って視聴者をゲームの世界に引き込むことが、実際のゲームの購入・ダウンロードへと繋がっています。
インタラクティブ動画とは、リンクや分岐といった仕掛けを組み込み、ユーザーに「選ぶ」アクション起こさせる動画のことです。インタラクティブ動画に仕掛けられる機能の一つとして、360度閲覧機能もあります。
視聴者が見たい方向をドラッグして好きな部分を閲覧できるようになるなど、視聴者側からのアプローチも可能とする双方向でのやり取りが可能になり、より動画コンテンツとして楽しいものになるでしょう。
【選定基準】2023年2月15日時点、Googleで「インタラクティブ動画」と検索した際に表示された全インタラクティブ動画プラットフォームを調査。Eコマースでの導入事例が多かった順に3社選定。Tig(35事例掲載)、MIL(6事例掲載)、Firework(3事例掲載)
Tigシリーズ
(パロニム社)
MIL
(ミル社)
Firework
(ループ・ナウ・テクノロジー社)
【選定基準】2023年2月15日時点、Googleで「インタラクティブ動画」と検索した際に表示された全インタラクティブ動画プラットフォームを調査。Eコマースでの導入事例としてHPに成功事例の掲載が多かった順に3社選定。Tig(35事例掲載)、MIL(6事例掲載)、Firework(3事例掲載)
(※1)(※2)(※3)2023年4月時点、それぞれ公式HPにて